連続講座「なぜ開門調査をめざすのか―韓国の事例と伝統漁法から学ぶ」開催される。

愛知県長良川河口堰最適運用検討委員会は、7月31日(日)韓国プサン広域市気候環境局長を講師に招聘しウインクあいちにおいて第3回長良川河口堰連続講座を開催しました。ナクトンガン(洛東江)の環境改善のために河口堰の来年部分開放、2025年全面開放をめざすプサン広域市の取り組みに学ぼうとするものです。講演を受けたシンポジウムには長良川市民学習会・武藤事務局長もパネラーとして登壇しました。

写真左)李根熹 気候環境局長

〈連続講座参加者から〉

 ゲストの李さんから、韓国の釜山市の洛東江(ナクトンガン)の河口堰の開放事業の詳しい報告がありました。

 資料によれば、洛東江河口堰は1987年に完成。2007年にあった「河口堰築造20年評価シンポジウム」で「洛東江は流されるべきだ―汽水生態系復興に向けた河口堰管理方案」が提案され,以来様々な運動が行なわれてきたようです。会場からは「行政が何故、開門に熱心なのか」「住民運動と政治の距離が近いのはなぜか」という質問がありました。それには、「韓国では1987年の民主化運動があり、各種の市民運動の活動が日本より活発で,大統領選挙や市長選挙などで国民の声をとりいれ公約に掲げられるようになったこと」などがあるという説明がありました。武藤さんからは、川の状況や歴史の違いはあるが、今後も情報交換をしながら開門を目指したいという意見が述べられました。

 この集会の2部では写真家の磯貝さんの美しい写真と大橋さんの語りで長良川の今昔が紹介されました。大橋さんによれば,最盛期には1000匹以上捕ったこともあったサツキマス漁は今年は僅か48匹だったそうです。

  「大橋さんが現役で漁をしておられるうち、ぜひ開門を実現したい」という小島座長の想いが紹介され、ほぼ満員の会場からも同感の拍手でした。◆田中